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投資等に含める有価証券はそれ以外のもので長期的な所有を狙ったものです。
繰延資産は支出したときに、一度に費用として処理せずに、数期に分けて費用とするもので、創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費、建設利息などがあります。
当座資産の最大の特色は、短い期間に現金にすることができる点にあります。
この勘定に属するものは現金、預金はいうまでもなく、受取手形、売掛金、貸付金、有価証券などいずれも、この換金性が高いという特色を持ちます。
言い換えれば、企業の支払能力の大きさを示すわけで、債権者の立場からすると、この当座資産が充実しているかどうかという点に、古くから関心が払われてきたわけです。
しかし、企業の側に立てば、不必要に多い当座資産は遊休資産を物語り、意味のあるものではありません。
会社が仕入れた商品や生産した製品などのうち、販売が実現して売上高に対応する分は、その期の売上原価として計算されますが、期末に残った分は棚卸資産となります。
棚卸資産という名称はその実在高が棚卸し(倉庫などにある商品、製品などの数量、価額、品質などを実際に調査すること)によって確認されることによります。
棚卸資産の内容は商業と製造業では少し異なります。
商業では他の企業から仕入れた商品を販売するのに対して、製造業では、原材料を仕入れてこれに加工して製品として販売するわけです。
商業が販売する物品は商品で、製造業が販売する物品は製品です。
こうした相違から、棚卸資産の内容は、商業では商品などですが、製造業では製品、半製品、原材料、仕掛品などです。
半製品とは、製造過程で得られたもので、完成品ではありませんが、販売できるものです。
例えば、鉄鋼業では高炉で銑鉄を生産し、これを加工して鋼鉄として、販売します。
鋼鉄が完成品です。
銑鉄は半製品ですが、線材メーカーなどから需要がありますから販売します。
また、仕掛品ですが、製造工程を考えますと、原材料を加工して製品にするわけですが、その加工中の段階にあるものが仕掛品です。
すでに加工が始まっていますから、原材料とはいえません。
完成していませんから製品ではありません。
いわば、中途半端な状態にあるものですから、半製品とは異なって販売できません。
棚卸資産をみる場合に最も大切なことは、その評価の問題です。
簡単な例をあげますと、一万円の値打ちのある棚卸資産を一万二千円と評価して決算しますと利益は二千円増えます。
水増しの過大利益です。
反対に九千円と評価すると利益は一千円減ります。
利益の過小表示です。
いずれも粉飾決算の場合によく採用される方法とされます。
したがって、適正な評価を行うことが大切です。
特に、その評価いかんが企業の損益計算と結びついているだけに重要な問題です。
時価(市場価額)が原価と比べて低いときは時価によることも認めています。
これを低価法といいますが、その適用は企業の任意です。
なお、流動資産の時価が著しく低く、かつ価格が回復する見込みのないときには時価で評価することを強制しています。
時価が低下して九百円になりました。
低価法を適用しますと九百円と評価します。
適用しないと一千円です。
ところが、時価はさらに低下して四百円になりました。
著しい低下で、価格が回復する見込みはありません。
この場合は四百円と評価しなければなりません。
強制されているのです。
棚卸資産の評価を原価で行う場合の方法として、先人先出法、後入先出法、平均原価法などがあります。
なぜ、このような方法があるのかといいますと、棚卸資産の市場価額は変動しており、取得の時期が異なると、取得価額も相違します。
それらの異なった値段のものを区別して管理し、払い出すたびにそれぞれの取得価額を確認する方法(個別法)は宝石、貴金属業などでは行われます。
しかし、大量に扱う場合は、個別法は煩雑ですから、一般には一括して行われます。
その場合に、先人先出法、後入先出法、平均原価法などが適用されるわけです。
先人先出法は、先に取得した分から順に払い出されると考えて計算するわけです。
ちょうど学校の学生・生徒が毎年、上級生か卒業し、新入生が入学するようなもので、先に入った学生・生徒から、“蛍の光”とともに次々と送り出されるわけです。
インフレーションなどのときには、以前の古い時期に取得したものは安く、最近の時期に取得したものは高くなっています。
この順で払い出される結果、払い出された分は安く、これらを販売しますと利益金は多く出てきます。
一方、棚卸資産の価額は、新しいが、高い原価で決められることになります。
デフレーションの場合には逆で、利益金は少なく、棚卸資産の価額は安くなります。
後入先出法は、あとから受け入れたものから順次に払い出されるとして計算する方法です。
したがって、先に取得した分の払い出しはあまり進まず、あとから取得した分か計算の対象として登場します。
学校の学生・生徒に例をとりますと、下級生が先に卒業して、上級生は留年しているという状況です。
インフレーションのときには、払い出された分は高く、これらを販売しますから利益金は少なく、一方、棚卸資産の価額は安いわけです。
デフレーションの際は逆です。
このため、企業はインフレーション対策の一つとして、後入先出法を選択すると有利とされます。
後入先出法では取得時期の古い分は、あまり動かないわけです。
ちょうど固定資産のような形をとります。
こうした影響を排除した方法にドル価値法とか基準棚卸法などと呼ばれる考見方があります。
いずれも棚卸資産を一種の固定資産とみなして計算するところから出てきた方法です。
次に平均原価法には、単純平均法、加重平均法、移動平均法などがあります。
いずれも、取得時の価額が相違している棚卸資産を取得した場合、それらの値段を平均して計算するわけです。
単純平均法は単純に各単価を算術平均するやり方で、得られた平均単価に棚卸数量を掛けて棚卸額を算出します。
加重平均法は各単価にそれぞれの数量を加重して平均単価を計算します。
移動平均法は異なる単価の買い入れが行われる度に、そのつど平均単価を算出します。
これら三種の平均原価法と先入先出法、後入先出法と計五つの方法について例をあげますと、別表のようになります。
なお、先に低価法を説明しました。
これは棚卸資産の価額として、原価と時価を比べて低い方を選ぶわけですが、その差額は評価損です。
当期に評価損を割り当てて処理してしまい、次期に評価損を繰り越さないのです。
つまり、次期に繰り越す資産の価額を安くし、身軽な姿にしておくことにほかなりません。
“予想される損失”をいち早く計上することは、堅実な経理処理とされ、企業会計の保守主義の原則に通じることになります。
企業が棚卸資産を保有することは、その分だけ資金が拘束されることを意味します。
在庫投資と呼ばれるものです。
正常な在庫投資は問題も少ないでしょうが、過大な在庫投資は、企業の資金繰りを圧迫し、悪影響を及ぼします。
特に、流行遅れなどの理由で売れなくなった商・製品などを抱え込んだりすると、デッドストック(死蔵品)と称せられ、警戒されます。
商業の場合は、商品を仕入れて販売するわけですから、棚卸資産が多く、固定資産は少ないのが普通ですが、製造業の場合は生産設備が必要ですから、固定資産が多いことはいうまでもありません。
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